私が鹿児島へ行った理由

昨年、雑誌Casa BRUTUSで目にした妙見石原荘(Myoken Ishiharaso)の美しい露天風呂の写真に目を奪われた。場所を見ると鹿児島県霧島市の妙見温泉。東京から少し遠いと思ってあきらめたが、その後も雑誌の温泉特集で何度か石原荘の露天風呂の写真を目にして、やはり鹿児島まで行くことにした。
初めて訪れる鹿児島県、私にとって日本で40番目の都道府県訪問先となる。初日は桜島~妙見石原荘で温泉三昧。2日目は鹿児島中央から観光列車に乗り指宿(Ibusuki)へ。
鹿児島と言えば桜島しか思いつかないが、どんな所なんだろう。まずは2泊3日の旅のハイライト。

羽田空港06:45発のANA626に乗り、鹿児島空港に着いたのは08:35分。富士山が見えてラッキー。

鹿児島空港は西郷さんだらけ。空港に天然温泉足湯「おやっとさぁ」がある。「おやっとさぁ」とは鹿児島弁で「お疲れさま」の意味。
鹿児島空港(霧島市)でレンタカーを借りて鹿児島市内へ行き、まずは桜島観光。鹿児島市内まで国道で行くと約60分かかる。

鹿児島中央駅から車で約10分、鹿児島市漁協直営の海鮮食堂「海神の郷(うながみのさとと)」でブランチ。その日に水揚げした新鮮な魚が食べられる。

お刺身定食 1,700円 お魚は新鮮で盛沢山。シビは初めて食べた魚。あら汁も美味しかった。

鹿児島港と桜島を15分で結ぶフェリー。
24時間運航で、日中は15分~20分おきに船が出航する。噴火したらいつでも避難できるように24時間運航しているそうだ。

「桜島」溶岩なぎさ公園足湯 
桜島フェリーターミナルから徒歩8分の海辺にある「桜島」溶岩なぎさ公園。公園内には足湯があり、地下1,000mより湧出する天然温泉は、赤褐色の湯。

東京でもおなじみ、鹿児島の白くまかき氷は鹿児島に本店がある。

車で霧島市へ移動。ドライブ中に噴火した桜島がよく見える。3,000m以下の噴火はよくあるので鹿児島市民は慣れているそうだ。鹿児島はヤシの木が多くて南国の風景。

嘉例川駅(Kareigawa Station)
霧島市隼人町にあるJR肥薩線の駅、嘉例川駅。1903年(明治36年)に営業を開始した築100年以上のレトロな木造駅舎。駅舎は県内最古で国の登録有形文化財に登録されている。

古い木造の駅舎は大好き。レトロなポスターも貼ってある。
「九州の駅弁ランキング」で3年連続1位に輝いた「百年の旅物語かれい川」が人気。土日祝日のみ駅舎内で販売。

鹿児島空港から車で約15分。霧島市にある妙見石原荘(MyokenIshiharaso)に到着。
天降川(あもりがわ)の渓流沿いに位置し木々に囲まれた旅館。敷地内には7つの源泉があり、源泉の近くに浴槽をつくっているので、いつでも新鮮なお湯に浸かれる。温泉ファンに評価の高い湯宿だ。最近、温泉ソムリエに認定された私はここに泊まりたくて、はるばる鹿児島県までやって来た。

【本館】川沿い和室二間 萌黄(もえぎ)に宿泊10帖+4.5帖(茶室)
夕食、朝食付き 38,000円×2名 76,000円+入湯税300円
スタンダードな数寄屋風のお部屋。眺望もよく、お部屋もきれい。

お部屋に石原荘が掲載されている温泉の本が2冊置いてあった。

4.5帖(茶室)は2人だったので全く使用しなかった。
早速、浴衣に着替えて川沿いの露天風呂に行ってみる。
お部屋と大浴場にクレンジング、洗顔フォーム、化粧水、乳液あり。

母屋から露天風呂まで行く小径も雰囲気が良い。
湯上りラウンジでレモン水を飲んで、一番奥の野天風呂「椋の木」へ。ちょうど女性客が脱衣場から出てきて私達の貸し切りだった。

野天風呂「椋の木」Mukunoki

渓谷と一体化した美しい露天風呂。湯船の下から温泉が自噴しているので、非常に鮮度の良い温泉。源泉のそばに浸かると炭酸の泡が肌に弾ける。加水もしていない100%源泉かけ流しの湯。天然の炭酸水素塩泉は抗酸化作用がある。つまり、アンチエイジング。

「温泉は生き物」と言う、石原荘の湯へのこだわりは強い。
私は最近、温泉ソムリエになったので泉質や温泉の鮮度を気にするようになった。魚と同様、温泉も鮮度が大事。運ばれて時間が経つと酸化してまう。

泉質:ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉
炭酸水素塩泉は古い角質をやわらかくし、皮膚の皮脂や汚れを洗浄する。

温泉に含まれているメタケイ酸は肌の新陳代謝を促してお肌をつるつるにする作用がある。よく「美肌の湯」とうたっている温泉を見かけるが、温泉1Kg中に含有量50mgなら「美肌の湯」と言うことができ、含有量100mg以上なら強力な美肌効果作用がある、と言われている。
妙見石原荘の湯はメタケイ酸が230mgも含まれているので、高い保湿効果が期待できる。

川のせせらぎ音とぬるめの湯でリラックス効果抜群! やはり鹿児島まで来て良かった。
私は外から見えないように囲いのある露天風呂は嫌い、景観を損ねるから。石原荘には余計な物が一切ないのが良い。あるのは、かけ湯するための木の桶だけ。

混浴なので女性には湯あみ着を貸してくれる。男性はタオルを巻いて入浴する。
上に脱衣場があるが、大きな椋の木が目隠しと屋根の役目をしてくれる。
初めての混浴だったけど、湯あみ着はバスタオルのように厚めの生地なので問題なし。客室は少ないので、平日ならば他の客と鉢合わせになることはあまりなさそう。

続いて貸切り露天風呂の七実の湯(Nanaminoyu)
無料の貸し切り露天風呂。普通のホテルなら宿泊者でも貸切り料金4,000円するレベルの露天風呂だと思う。

泉質:炭酸水素塩泉
檜の湯船に湯船に身体を沈めると、炭酸成分がシュワシュワとなめらかに包みこむ。
中性なので肌への刺激が少ない。

川べりにある足湯は一番川に近くて迫力あり。

いいお湯だった。肌が柔らかくなった。

温泉と同じくらい楽しみにしていた夕食。レストラン石倉の個室で頂きます。

食前酒は、竹に入れた日本酒、金雀(きんすずめ)山口県の地酒。
鹿児島だから焼酎かと思ったら日本酒だった。私は日本酒は普段飲まないので味は語れない。

夕食は鹿児島の旬の食材を使った懐石料理が味わえる。皐月のおもてなしは端午にちなんだ食材。邪気払いに菖蒲を添えてある。笹団子のような葉にくるまれた中身は車海老の寿司。

石鯛と月日貝は醤油ではなく、紫蘇の香りのするポン酢をつけて食べる。このポン酢が美味しい。汁物の霧島サーモン地鱒清汁がすごく美味しかった!

左:黒さつま鶏の南蛮漬け。
右:炭火で焼いた鱸(スズキ)は最高に美味しかった。食材の持つ味や力は最高。

食事中は度々、温かいほうじ茶を出してくれた。多分、加賀棒茶。

上質な黒豚の屑煮鍋。締めのご飯は鰻山椒ご飯。うなぎの味付けも青山椒も美味しい。
食後のデザートはモナカと鹿児島産のブランド緑茶の知覧茶(ちらんちゃ)。少し苦みのある緑茶。
実は鹿児島はお茶の収穫量が日本一。日本茶生産量も静岡県とトップ争いをしている。鹿児島滞在中、どこのお店でも知覧茶をよく見かけた。

温泉目的で来た妙見石原荘だったが、食事が期待以上に美味しくて満足度MAX。温泉旅館にありがちな固形燃料で温める一人用鍋なんてものはここにはない。鍋もご飯もゲストの夕食時間に合わせて作ってくれるから。
料理のこだわり同様、器へのこだわりもあるので全ての器が違った。温泉と渓流のロケーションだけでも満足なのに、今まで食べた日本料理で一番おいしかったかもしれない。温泉も食事も素材の持つ力と鮮度が大事だと言わんばかりに。

温泉と食事の両方が最高レベルで1泊4万円以下の宿は中々ないのでは。食事が美味しい温泉旅館は全国に多々あると思うが、このような絶景ロケーションに源泉が自噴している露天風呂がある宿は中々ないだろう。

夕食の後は大浴場へ。大浴場が母屋と離れているのは源泉の近くに湯舟をつくっているため。
内風呂の泉質も炭酸水素塩泉。内風呂の湯舟の窓が開いているので心地よい。脱衣場の洗面台も清潔で清掃が行き届いている。

朝6時に起床して朝食前にまた混浴風呂へ入った。幸い誰もいなくてよかった。
5月は露天風呂に最高の季節。温泉、鳥のさえずり、川のせせらぎ、木々、五感にしみる最高の露天風呂。

貸切露天風呂の「睦実の湯」へ (貸切り料金1,000円)
睦の湯は脱衣場から湯舟までゆるやかなスロープを下ると湯舟になるデザイン。建築家の中村好文が設計した露天風呂。

泉質は炭酸水素塩泉なので、炭酸成分が見える。こちらの湯は他の風呂よりやや熱め。
ここにも源泉が沸きだしている。

朝食は夕食と違うレストラン食彩石蔵の半個室で。
レストラン内のオブジェもセンスがよく、遊び心のあるアートな空間。

レストラン石蔵は、宿泊者以外の方も昼食ランチで利用できる。
ランチ懐石+日帰り入浴  9,680円

鹿児島の旬な食材を使った朝食。魚はイワシの丸干し。
オーガニック野菜のサラダ、甘酒を使った自家製ドレッシングが最高に美味しかった。
ご飯はゲストの朝食時間に合わせて炊いた伊佐米。

妙見石原荘は遠いけど再訪したいお気に入りの温泉宿となった。もちろん、サービスもスタッフのおもてなしも良い。ここまで温泉にこだわりがない人でも食事がすごく美味しいので、関東の人も是非足を延ばしてみてほしい。

妙見石原荘
鹿児島県霧島市隼人町嘉例川4376番地 
鹿児島空港から車で15分


2日目は指宿観光。石原荘からシャトルタクシーで最寄りの隼人駅まで約15分。

JR日豊本線 肥薩線(にっぽうほんせん)の隼人駅から鹿児島中央駅まで移動。
九州の電車はデザインがいいね。

観光特急列車の「指宿たまて箱」、通称「IBUTAMA」で指宿(Ibusuki)まで約55分。
1日3本運行の全席指定の特急なので事前にJR九州のネットで海側のカウンター席を予約した。2,300円(大人)

『指宿のたまて箱』は、浦島太郎が登場する“竜宮伝説”がモチーフ。浦島太郎がたまて箱を開けると出てきた白い煙をイメージして、なんと、入線後に車体からミストが噴射される演出がある。指宿は浦島太郎伝説発祥の地といわれているとか。 

車内は木材で包まれている。2号車には客船やヨットにも用いられるチーク材が使用されていて内装にもこだわりが感じられる。

九州旅行の楽しみは観光列車。飛行機大好きだけど列車の旅も楽しい。

指宿に近づいてくると錦江湾(きんこうわん)の美しい絶景を楽しめる。

指宿に到着。気温は24℃で快晴。
鹿児島中央駅で乗車した時、車体は黒かったのに指宿で降りたら白い車体。

「黒髪だった浦島太郎が玉手箱を開けたら白髪になってしまった」というストーリーを表現して、車両の海側が“白”、山側が“黒”の、ユニークな外観をしている。
「指宿たまて箱」、通称「IBUTAMA」

駅にIBUTAMAポストも設置。

竜宮伝説の指宿へようこそ。指宿についたとたん、昭和の雰囲気。
地方の温泉地はこうでなくっちゃ。指宿は1960年代のハネムーンブームで東洋のハワイと呼ばれ、一躍有名になったそうな。
レンタカーを借りて指宿観光。指宿はヤシの木が多く南国感に包まれた温泉地。温泉地というよりは南国の自然景勝地だ。

まず初めに訪れたのJR「西大山」駅
指宿市山川大山にある「西大山駅」は、JRの日本最南端に位置する小さな無人駅。
列車はかなり少ない。正面に開聞岳(Kaimondake)を望む素晴らしい景観の駅。

駅前に立つポストは、指宿を代表する花、菜の花の黄色で幸せを運ぶポストも人気。
向かいにある土産店「かいもん市場 久太郎」で「JR日本最南端の駅到着証明」の発行やポストカード販売している。

指宿サイダー、おいしい。

薩摩半島最南端にある絶景の聖地、長崎鼻。

龍宮神社は恋愛成就スポット。
龍宮神社は浦島太郎と乙姫様が出会った竜宮伝説発祥の地で、豊玉姫(乙姫)を祀った神社、縁結びや海の神様として大切にされている。ここで貝殻に願いを書き、壷に入れて奉納すると素敵な出会いがあるといわれている。
龍宮神社は小さいけど明るくて楽しい神社で好き。御朱印ももらった。

浦島太郎の像
『男性は左側から二回まわる。女性は右側から二回まわる。二回まわって鼻を撫でたら願い事がかなうと言われている。』

指宿のシンボル、開聞岳はきれいな三角形をしていて美しい。この風景を見ると1960年代に指宿が東洋のハワイと言われたのもうなづける。

指宿では夫婦露天風呂の宿 吟松(Ginsho)の海側和室に宿泊。
昔ながらの大型観光ホテルで天然砂むし温泉「砂楽(さらく)」の隣にある。窓の外には海が広がる。

9F屋上にある貸切露天風呂「空」 (貸切り料金:50分 4,000円)
心地よい波音と潮の香りに包まれて入浴できる。洗い場や休憩するデッキチェア、ドライヤーもある。

泉質:ナトリウム塩化物泉 (隣の天然砂むし温泉と同じ源泉)
お湯は源泉かけ流し。お肌を保護しメラニンを整えるメタケイ酸を多く含んでいるため、美人の湯とも呼ばれている。

露天風呂の後、夕食時間までホテル周辺を散歩。
隣には指宿名物の天然砂むし温泉砂楽(さらく)がある。

指宿で砂むし風呂の体験はしなかった。気温も高かったし、別府で入った砂蒸し風呂がサウナのようにかなり熱くて苦しかったので。
鹿児島県民の人が言っていたが、地元の人は砂むし温泉に入ったことがないそうだ。東京育ちの人が東京タワーに行ったことがないようなものか。

天然砂むし温泉砂楽(さらく)

指宿の市街地や観光スポット付近にはポケモンGoのマンホールが設置されている。
砂むし温泉砂楽敷地内にあるポケモンマンホール、ブースター(Booster)

吟松の夕食も個室。
前日の妙見石原荘の会席コース料理が見栄えも味も最高だったので、この夕食が普通に感じてしまう。でもこれがスタンダードな温泉旅館の夕食だろう。

源泉が湧き出る温泉卓で温泉卵、目の前で揚げる「さつま揚げ」など、お料理も思い出に残るように工夫してある。九州の醤油はどこも黒っぽくて濃厚。


食後は2Fにある大浴場に入った。温泉は良いのだが2Fの海の前にある露天風呂は囲いで覆われていて暗くて足元がヌルヌルする。皆、屋上の露天風呂に入っているようで内風呂には殆ど人がいなかった。

朝食前に9Fにある天空露天風呂(女湯)に入った。シャワー付きの洗い場も複数ある。
目の前に広がるお風呂の前にはさえぎるものがなく、開放的なお風呂だった。温度もぬるめでちょうど良いが、湯舟に浸かると朝陽が水面に反射してかなりまぶしい。

朝ごはん。朝は源泉が湧き出る温泉卓で湯豆腐。品数豊富で朝からお腹いっぱい。

朝8時からホテルの前の浜辺でコーヒーのセルフサービスあり。

レンタカーで鹿児島市内まで戻る途中、道の駅いぶすき「彩花菜館」に寄った。
地元のとれたて新鮮野菜や鮮魚、焼酎などを販売。
プレミアム生クリームソフトが美味しかった。指宿特産オクラやさつまいもを使用したご当地ソフトクリームも売っている。

錦江湾を一望できる展望台があり桜島が見える。
緑色とピンク色のかわいい郵便ポストがあった。

鹿児島市内に戻って、繁華街の天文館へ。

鹿児島名物、かき氷「しろくま」と言えばここ、天文館むじゃき
初めて鹿児島に来たら、絶対行くでしょ。むじゃきのかき氷は地元の人にも人気。
一番人気は自家製のミルクと蜜、たくさんのフルーツがのった「白くま」

白熊 レギュラーサイズ 750円と白熊ラテ
上から見るとクマの顔に見える。ちょうど私が鹿児島にいる間に、東京の八重洲ミッドタウンで出張販売していたようだ。

天文館むじゃき
鹿児島市千日町5-8 天文館むじゃきビル 1F
食事もあり。鹿児島中央駅から車で7分

鹿児島空港 展望デッキ
14:30のANAで羽田空港へ。いつものように2泊3日はあっという間だった。

国内旅行でお土産買うの楽しい!

指宿のご当地麺”勝武士ラーメン 山川産の指宿鰹節パックがついた”TAKETORA”
指宿にあるラーメン屋”TAKETORA”で食べられなかったので、鹿児島空港でお土産に買った。”TAKETORA”のとんこつラーメンは家で作っても美味しかったので、指宿で食べなかったことが悔やまれる。指宿鰹節鰹節はお土産屋でよく見かけたけど美味しい。

鹿児島県指宿 ラーメンTAKETORA(タケトラ)
JR指宿枕崎線「指宿駅」から徒歩3分 

今回は妙見石原荘の温泉目的だったので観光、グルメはあまりできなかったが、山と海の景色と温泉でのんびり過ごしてリラックスできた。

鹿児島観光サイト かごしまの旅

妙見石原荘の詳細レポート
”温泉は生きもの” 妙見石原荘の魅力


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