マドリード&アンダルシア女一人旅<スペインバス旅ルート>

念願の南スペインのアンダルシア地方を旅してきた。
太陽と海、青い空と白い町並み、フラメンコギターの旋律、イスラム建築、生ハムとタパス、ワイン…。
約10年前、雑誌Figaro Japonのアンダルシアの特集を見て、どの街も魅力的でいつかは行ってみたい理想の街並みだった。しかしグラナダやセビーリャはマドリードから特急や長距離バスで数時間の移動が基本。さらに美しい地中海沿いのリゾート地コスタデルソル(Costa del Sol)へのアクセスは鉄道がなく、街から街への移動がバス。行きたい街を絞って、どのルートで回るかプランニングするのがちょっと面倒くさい…ので先のばしにしていた。

スペインは私にとって20か国目に訪れた国。
6泊8日ではアンダルシア地方を周り切れないので、迷ったあげくマドリード→グラナダ→ネルハ→フリヒリアナ→マラガの5か所に絞った。
日本からアンダルシア地方への道のりは遠いが、スペインまで行ってしまえば、訪れる街ごとに感動があり、バスからの車窓も美しく久々に旅したな~と実感できる充実した旅だった。
まずは街ごとの旅行記を仕上げる前に旅の余韻が残っている今、一人で無事に周った旅の記録を写真メインでまとめておこうと思う。

予約できた航空券は羽田→フランクフルト→ワルシャワ→マドリード~スペイン~マラガ→フランクフルト→上海→東京成田の航空券。往復乗り継ぎ2回は飛行機&空港好きの私でもしんどかった… 。(しかも往復共にハプニングあり)
スペインはイベリア航空の直行便でも14時間と遠い。
ホテルは全てBooking.comで予約。
スペインの気温は昼、夜共に気温は4月の東京とほぼ同じ。物価も東京とほぼ同じ。
1ユーロ=126円

スペインは”Semana Santa”と呼ばれるイースター休暇だったこともあってか、街は深夜1時まで国内観光客が多くて賑やかで女一人で深夜まで出歩いていても危ないことは全くなかった。例えるなら年末の渋谷か、ゴールデンウィークの京都かって言うくらいスペイン人とヨーロッパの観光客であふれていた。

【マドリード Madrid, Spain】スペイン中心部に位置する首都

初めてのスペインの旅はマドリードから始まった。ワルシャワから乗り継ぎしたポーランド航空(今問題のボーイング737 MAX)で、飛行中にトイレの水故障で空港に引き返すトラブルがあり、3時間も到着が遅れて(泣)マドリッド、ターミナル2に到着。両替所はターミナル1しかないし、スタートからつまずいたこの旅。
空港からExpres Aeroport Busで鉄道アトーチャ駅まで約20分。€5はバスの中で払う。

鉄道と地下鉄のAtocha駅

マドリード地下鉄ICカード ムルティー multi Card
TURISTICO ツーリストパス1日券は €8.4(¥1,082)
自動券売機からAEROPUERTO→「DE 1A 7DIAS」を選択してクレジットカードで購入。1日券パス以外に1VIAJE=1回券の買い方は結構難しく、慣れていないと時間がかかる。

Plaza Mayor 観光の拠点となるマヨール広場、Sol駅周辺に泊まるとどこに行くにも便利

アルカラ通り(Calle de Alcalá)のCírculo de Bellas Artesのルーフトップからの眺め

マドリードの中心地の広場、プエルタ・デル・ソル (Puerta del Sol)のシンボル、クマとイチゴノキ(山桃の木)の像。

朝食はベタにMuseo del Jamón (生ハム博物館という名のレストラン)で生ハムサンドとカフェ・コン・レチェ(café con leche)を。さすが生ハムレストランが多い。

Chocolateria San Gines  チョコラテリア 「サン ヒネス」にてチュロス。
甘くない揚げたてのチュロスにチョコを浸して食べるのがスペインの定番。

地下鉄に乗って街歩き。

地元の若者が行くようなMalasana(マラサーニャ)エリアの街歩きをした。
スペインのタイルの看板がアートで大好き。

私はマドリードではプラド美術館より街歩きを優先。LIBROSは黒猫店長のいる本屋。
路地裏好きの私は、個性的な本屋やお店があるTribunalの街歩きが楽しかった。

国立ソフィア王妃芸術センター
(Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía: MNCARS)
ピカソの「ゲルニカ」が展示されていることで人気の現代美術館。20世紀の現代アート作品を多数所蔵しており、特にピカソ、ダリ、ミロの三大巨匠の名画は見逃せない。私も観たかったのだが、行列がすごくて断念した。

マドリードで一番のおススメはサンミゲル市場 Mercado de San Miguel
観光客向けのきれいな食品市場で、広いデパ地下のフードコートのような場所。シーフードも多く毎日通いたい位、種類も豊富で美味しいTAPASを食べられる。

スペインは夜9時まで明るいので、滞在中どの街でも毎日朝から深夜まで14時間位歩き回っていた。体力の限界までカメラ片手に自由気ままに歩き回れるのも一人旅ならでは。

Madridで宿泊したホテル、 SLEEP’N Atocha 
部屋は狭かったけれど、値頃でおしゃれなので一人旅にお勧め。国立ソフィア王妃芸術センターのすぐそばにある。

マドリードからグラナダへは飛行機で約1時間、高速列車で4時間半、バスで5時間。
鉄道も時間かかるので安いバスにした。現在工事中の高速列車AVEがグラナダに2019年中に開通すれば約2時間に短縮されるそう!

マドリードの南バスターミナルから、朝7:00発のALSAバスで、グラナダへ移動。
Madrid Estacion Sur 7:00am発→ Granada Bus Station 12:00pm 着
5時間(休憩30分)ノーマルバス €22.5(約¥2,800)
ALSAバスの公式ページで英語で予約できる。日本から出発前にVISAカードで決済した。

ALSAバスの車内には飛行機のようにモニターがあり、USB充電があり、WiFiも使えて快適。サービスエリアで30分休憩した後はどこまでもオリーブ畑が続く。

【グラナダ Granada, Spain】
スペイン南部のアンダルシア地方にある都市

Albaicin Grada, Spain グラナダのアルバイシン地区

バスターミナルから市バス33番で約15分(€1.40)で街の中心地、グラナダ大聖堂の前で下車。滞在したアルハンブラの北側の丘に広がるアルバイシン地区は、かつてイスラム教徒が暮らしていたエリアで、イスラムの芸術や雰囲気を残す街。アルハンブラ宮殿と共に世界遺産に登録されている。

石畳の白い小道には白壁の家が密集していて道は迷路のよう。基本的に坂道や階段なのでスーツケースがあると大変。観光地を周遊するアルハンブラバス(€1.4)もあるが、どこでも歩いて10~15分で行ける。

Apartamentos Turísticos Alhambra
グラナダで2泊したアルバイシン地区にある、アパルタメントス トゥリスティスコス アルハンブラ。中心地のヌエバ広場から徒歩8分で、どこに行くにも徒歩10分で行けるので便利だった。オーナーの女性も明確なアドバイスをくれて良かった。ランドリーもあるが洗濯乾燥機の表示はスペイン語。

ホテルのテラスからアルハンブラ宮殿が正面に見えるので、わざわざバスでサンニコラス展望台まで行かなくても朝も夜も好きなだけ眺められた。

Alhambra, Granada, Spain

天井のドームがかわいい、グラナダ大聖堂

アラブの面影を残すカルデレリア・ヌエバ通りには、モロッコやトルコみたいな雑貨屋が並び中近東のバザールのよう。グラナダにはテテリア(アラブ風カフェ)が多い。

アラブ風カフェのカスバ (Tetería Kasbah)

イスラム芸術の最高傑作、アルハンブラ宮殿 Palacio de la Alhambra
アルハンブラ宮殿内の最大の見どころ、ナスル宮殿は入場時間予約制

アルハンブラ宮殿のチケットは入手困難。個人旅行で行く場合、日程決まり次第すぐに日本からアルハンブラ公式サイト(英語)でチケットを購入しないと見学できないこともある。私は2か月前に公式サイトで予約しようとしたところ、チケットは既に4月は全日完売していており、現地の旅行代理店サイトで割高の日本語音声ガイド付きの入場チケットを購入した。朝一で当日券売場に2時間並んで入れなかった人も結構いるので、出発前に日本から入場券を事前購入はマストだ。

サンニコラス展望台。
グラナダの街はどこかでギターの旋律が聞こえる。この男性は観客向けにジプシーキングスを弾き語りしていた。


私の好きなタコ(Pulpo)と生ハム/イベリコ生ハム(Jamón serrano/Ibérico)はスペイン料理の定番。イベリコハムは高いけど柔らかくて美味しい。

夜はフラメンコを見に行った。
洞窟タブラオの老舗 Los Tarantos(ロス タラントス)
1ドリンク付き €25(送迎なし)22:30からのショーをホテルで予約。

観光客向けの洞窟タブラオのフラメンコ・レストランか、より本格的で情熱的なショーを観るか、かなり迷った結果、観光客向けのフラメンコへ。もともとジプシー音楽が好きなので、魂が叫ぶような歌と哀愁漂うギターがとても良かった。

グラナダはSemana Santa(キリスト教の復活祭)のパレードの為、夕方から通行規制していて街の中心のヌエバ広場周辺、ダロ川沿いの通りはバスもタクシーも入れないので注意。徒歩でも何度か迂回した。

スペインの夕食は午後9時から11時と遅い。
スペインの休暇、聖週間Semana Santaは(日本のお盆時期みたい)、通常よりスペイン人の観光客も多いし、ホテルも割高で深夜1時までパレードが続いてかなり騒がしい。この時期に行くのはおススメしない(マラガも同様)
毎年、移動型の休暇なので3月~4月に南スペインを訪れる人は注意。

名残惜しいグラナダを後にして、朝のバスでネルハに向かった。
Granada Bus Station 9:00 am → Nerja 10:50 am (1時間50分)€10:89
チケットはグラナダバスステーションのカウンターで購入。

電光掲示板にネルハ行きのバスの表示がなくて、乗り場が分からなくて焦った。チケットカウンター係の人に聞いたが乗り場が間違っていて、結局20分迷って出発1分前に正しいバスに飛び乗った。(汗)
実はNerja(ネルハ)行きと言うバスはなくて、”Torre Del Mar”行きのバスの途中駅だったことが判明。

ネルハに向かうバスの道のりは、高速道路をおりると、風景は小田原から熱海へ向かう道のりにどこか似ていて山の上のカーブから海が見える。地中海沿いのコスタデルソル(太陽海岸)の美しい景色が楽しいバス旅だった。カーブが多いけど高速道路を降りたら動画撮影スタンバイ。

【ネルハとフリヒリアナ Nerja and Frigiliana】

Nerja(ネルハ)
地中海と山に囲まれた岩場の上にある小さなリゾート地ネルハ。日本人には全く馴染みのない街だが、スペイン国内ではマドリードのプラド美術館、グラナダのアルハンブラ宮殿に次ぐ有数の観光地となっているそうだ。
フリヒリアナへ行くバスが出ているからネルハに1泊したのだが、ここが予想以上に良くてテンションがあがった!出発前に殆ど情報がなかった分、余計に。

180度の眺望が広がるバルコン・デ・ヨーロッパ Balcon de Europa

バルコン・デ・ヨーロッパにバイオリンを弾く女性がいた。モリコーネの映画音楽のような美しいバイオリンの音色と紺碧の地中海がマッチして思わずウルっと感動してしまった。

Frigiliana(フリヒリアナ)
ネルハからローカルバスに乗り換えて約20分。(€1.30)スぺインで最も美しい村に選ばれたことのあるフリヒリアナ村へ行った。バスは1時間に1本、タクシーで10分位(€13)

白い村、フリヒリアナ Frigiliana, Spain

真っ白に統一されたこの村は、街並みも土産屋も民家もカワイイ!
白い家と青や緑に塗られたドアや窓枠、タイルの看板、ブーゲンビリアの花が映える白い石畳の道、おまけに猫だっている。シャッターを押す手が止まらない。

気ままに裏道を歩けば、素敵な出会いがある。
石畳みの階段を登れば、白亜の建物の先には地中海。

フリヒリアナは地図なしでも周れるくらい小さい観光村。2時間位あれば旧市街を歩ける。日帰りで十分なので、ネルハに泊まって昼間フリヒリアナに行くのがおすすめ。

ちなみにフリヒリアナは南スペインのツアーでは立ち寄らないし、個人旅行の味方、「地球の歩き方~マドリードとアンダルシア2019~2020」でもネルハ情報は2ページ、その中にフリヒリアナの情報はたった数行しか載っていない。
こんなにかわいい村、絶対日本人(特に女性)も好きだと思うんだけど。

夜はネルハに戻って、ディナー。
お通しのオリーブのピクルスはすごくしょっぱいけど美味しい。
Brocheta Pescade(ブロチェタ ペスカァド)という白身魚と野菜の串焼きもおいしかった。スペイン人は皆、昼間から深夜1時頃までずーっとワインを飲んでいる。

アンダルシアの人はスペイン語しか話さないので、個人旅行ならスペイン語の単語は少し覚えて行った方が良い。買い物もレストランも全てスペイン語だから、○○ユーロ、と言われても数字が分からないし… イタリア語に似ているのが救い。

毎日使っていたスペイン語は、Hola!(オラ)以外に”La cuenta por favor.” (ラクエンタ ポルファボール) =「お会計お願いします。」

ネルハ→マラガ バスで90分 €4.58
チケットはバス乗り場の並びにあるALSAのキオスクで購入。13:15発のバスに乗ったら乗客は私だけ!貸切状態。このバスもwifiが使える。

ネルハ→マラガ行きのバスの車窓は海沿いを走り爽快!
バスは途中、”Torre Del Mar”というリゾート地に停車して、終点のマラガの観覧車の前のマリーナ広場前に着く。

【マラガ Malaga, Spain 】

マラガはイベリア半島のスペイン南端に位置する都市。太陽の海岸を意味するコスタ・デル・ソルの中心地で、ピカソが育った街。
マラガは都会のビーチリゾート地。ヨーロッパからの観光客ばかりで、街はスペイン語とフランス語だらけで、もはや英語さえも殆ど耳にしない程。

マラガの中心地、大聖堂の近くの広場

11世紀のイスラム時代に建設された要塞、アルカサバの前にあるローマ劇場の遺跡

宿泊したのはメルセー広場のそば。すぐ近くにピカソの生家やピカソミュージアムもある。

マラガ港の前にある、Centre Pompidou Málaga(ポンピドゥーセンター マラガ)
パリにあるポンピドゥーセンター初の分館として5年間の期間限定で2015年にオープン。企画展他、ピカソの「花の帽子」他シャガールなど展示。€9

夜20時半頃、ヒブラルファロ城の展望台へ行きマラガの夜景観賞。小高い丘の上にあるので、マラガ港と街を見渡すことができる。手前に見えるのはマラゲータ闘牛場。
バスでも行けるが、ちょうどいい時間がなかったので急な坂道を20分登っていった。(かなりきつい!)

Mirador del Gibralfaroから見るマラガの夜景
バスは22時に終わっていたので、ホテルまで途中TAPAS BARに寄りながら30分位歩いて帰った。21時半まで明るいので、私のディナーもいつも22時~23時頃、とすっかりスペイン時間になっていた。
マラガもSemana Santa(復活祭)で深夜0時まで酒場はほぼ満席状態だし、深夜1時まで祭りのパレードの太鼓の音がホテルまで聞こえて、マラガもとにかくうるさかった。観光客が多いので深夜に一人で歩いて帰っても全然危なくない。マラガに1泊して翌日空港へ。

マラガ中心地から空港までのバスは市庁舎近くの公園の前のPaseo Del  Parque通りの市バスA 乗り場から約35分(直行ではない)€3 バスの行先はAeropuerto(空港)

マラガ空港 SALIDAS(出発) ←街中でも必須のスペイン単語
ルフトハンザ空港でフランクフルト経由で帰国。

マラガ→フランクフルトまでの景色は雪山(アルプス山脈?)が15分以上続いて絶景!窓側席マスト!

ドイツのフランクフルト空港は広いので乗り継ぎには余裕を持った方が良い。おいしそうなお菓子やパンが沢山あり、乗り継ぎ時間が長くても時間をつぶせるが、レストランの値段が日本より高い。

ルフトハンザ航空の機内食は普通でした。

6泊8日で5か所を一人で周った初めてのスペイン、アンダルシアの旅。
移動が多いので毎日時間に追われてあわただしく、バス乗り場に迷う事が多かったけど、どの街も新しい表情があり写真でみるより良かった。迷路のような石畳の路地で迷うのも悪くない。
イスラムの雰囲気漂う街から、青い空に映える白い村、地中海、おいしい料理…アンダルシアの旅は私の心を満たしてくれた。また行く機会があれば、セビーリャやコルドバ、トレドにも行ってみたい。

今回の旅を終えて自分自身へ伝えたいことは、
・バス乗り場は地元の人に聞いても間違っていることが多いので信じるな
・迷う時間も含めて時間にさらに余裕を持って出発しろ
・お祭り(休暇中)の時期に行かない方がよい(通行規制が多いし混む)

街ごとの詳細旅行記も徐々に作成します。 TBC…

ヨーロッパは、今回のスペインで、イギリス、フランス、イタリア、ベルギー、ギリシャ、トルコ、の7か国訪問となりました。

“マドリード&アンダルシア女一人旅<スペインバス旅ルート>” への2件の返信

  1. こんにちは。拝読いたしました。
    一人旅で南スペインを廻ろうと考えていたので、参考になりました。
    アンダルシア地方はバルセロナやパリと違い観光ガイドブックで情報が少ない中、wagamamaさんは一人旅のスケジュールを組まれて、しかも実際に一人で旅にでられてすごいですね!
    私もアンダルシア地方ずっと憧れてまして絶対行きたいと思ってます。
    ブログまた見にきます。

  2. なゆさん、コメントありがとうございます!
    本当にアンダルシア地方は情報少ないんですよね。このブログは特に一人旅の方に参考になればと思って書いているので、少しでもお役に立てば嬉しいです。
    日本のようにバス亭に表示がないので、バス乗り場を事前にチェックしていけば、大丈夫だと思います。

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