別に観光したくて東京から鹿児島に行ったわけじゃない。鹿児島に行ったのは妙見石原荘(Myoken Ishiharaso)の絶景露天風呂に入りたかったから。
鹿児島県霧島市にある妙見温泉(Myoken Onsen)にある妙見石原荘は温泉マニアにとても評価の高い温泉と料理自慢の宿。大自然の恵みを五感で感じる妙見石原荘は「温泉すごく良かったよ。」と一言では言い表せないほど幸福度の高い旅館だった。
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羽田空港から鹿児島空港まで飛行機で1時間50分。
鹿児島空港(霧島市)でレンタカーを借りて鹿児島市内へ行き、まずは桜島を少しだけ観光した。
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鹿児島市内から車で霧島市へ戻る途中に噴火した桜島がよく見えた。
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妙見石原荘に行く前に、霧島市隼人町にあるJR肥薩線の駅、嘉例川駅(Kareigawa)に寄った。1903年(明治36年)に営業を開始した築100年以上のレトロな木造駅舎。駅舎は県内最古で国の登録有形文化財に登録されている。
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古い木造の駅舎は大好き。色褪せたレトロなポスターも貼ってあった。
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霧島市にある妙見石原荘(MyokenIshiharaso)に到着。鹿児島空港から車で約15分。
天降川(あもりがわ)の渓流沿いに沿うように立っている静かな旅館。
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お部屋は本館と米倉庫だった建物を移築した別館、石蔵の2タイプ。本館はそれぞれ雰囲気の異なる客室が14部屋。石蔵は客室4部屋に源泉掛け流しの露天風呂を備えている。
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レセプションの奥にある川沿いのテーブルでチェックイン。明るいうちにゆっくり温泉に浸かりたいので15:30頃チェックインした。
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ウェルカムドリンクの日本茶と柏餅。
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館内にはいたる所に季節の花が飾られ、調度品のセンスも良い。
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私達のお部屋は本館の一番奥にある萌黄(もえぎ)の間。
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【本館】川沿い和室二間 萌黄(もえぎ)10帖+4.5帖
2名1室 76,000円+入湯税300円 (夕食、朝食付き)
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スタンダードな数寄屋風のお部屋。眺望もよく、お部屋もきれい。
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2名だったので茶室風のお部屋は使用しなかった。
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お部屋からの眺め
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シンク付きのドリンクサービス。コーヒーにもこだわりを感じる。
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洗面台にあるアメニティはクレンジング、洗顔フォーム、化粧水、乳液。もちろん大浴場にも同じものがある。
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早速、浴衣に着替えて川沿いの露天風呂に行ってみる。母屋から露天風呂まで行く小径も雰囲気が良い。
敷地内には7つの源泉があり、露天風呂、大浴場、足湯に共有されている。源泉の近くに浴槽をつくっているので、いつでも新鮮なお湯に浸かれる。
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途中にある「薬湯」では、飲泉ができる。奥の湯上りラウンジでレモン水を飲んで、一番奥の野天風呂「椋の木」へ。ちょうど女性客が脱衣場から出てきて私達の貸し切りだった。
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本館から少し離れた野天風呂「椋の木」
この露天風呂は混浴なので女性には湯あみ着を貸してくれる。男性はタオルを巻いて入浴する。脱衣場で湯あみ着に着替えて、石段を下ると渓谷の中に作られた露天風呂が見える。
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渓谷の一部と見間違うほど大自然の中に溶け込んでいる野天風呂。
そう!雑誌で見たこの露天温泉に入りたかった!
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野天風呂「椋の木」Mukunoki
渓谷と一体化した美しい露天風呂。湯船の下から温泉が自噴しているので、非常に鮮度の良い温泉。源泉のそばに浸かると炭酸の泡が肌に弾ける。
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泉質:ナトリウム・カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉
炭酸水素塩泉は古い角質をやわらかくし、皮膚の皮脂や汚れを洗浄する。
「温泉は生き物」と言う、石原荘の湯へのこだわりは強い。
私は最近、温泉ソムリエになったので泉質や温泉の鮮度を気にするようになった。魚と同様、温泉も鮮度が大事。運ばれて時間が経つと酸化してまう。
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加水もしていない地中から溢れ出す100%源泉かけ流しの湯。天然の炭酸水素塩泉は抗酸化作用がある。つまり、アンチエイジング効果。
温泉に含まれているメタケイ酸は肌の新陳代謝を促してお肌をつるつるにする作用がある。よく「美肌の湯」とうたっている温泉を見かけるが、温泉1Kg中に含有量50mgなら「美肌の湯」と言うことができ、含有量100mg以上なら強力な美肌効果作用がある、と言われている。
妙見石原荘の湯はメタケイ酸が230mgも含まれているので、高い保湿効果が期待できる。
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泉質の話以前に、このお風呂の魅力は自然との一体感。新緑、川のせせらぎの音、ぬるめの湯で副交感神経が優位になりリラックス効果抜群。有給休暇を取って鹿児島まで来て良かった。
上に脱衣場があるが、大きな椋の木が目隠しと屋根の役目をしてくれる。初めての混浴だったけど、湯あみ着はバスタオルのように厚めの生地なので問題なし。客室は少ないので、平日ならば他の客と鉢合わせになることはあまりなさそう。
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眼鏡をかけたままお風呂に入る旦那。湯に浸かれば目線と同じ位置に川が流れ大自然の中に溶け込める。
私は囲いのある露天風呂は嫌い、景観を損ねるから。石原荘には余計な物が一切ないのが良い。
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関東では見ることのできない大きな岩のあるきれいな川。私は渓流沿いの露天風呂が大好き。
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湯上りサロンで水分補給と休憩してから貸し切り露天風呂へ。
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七実の湯(Nanaminoyu)
無料の貸切り露天風呂。チェックイン後に予約。
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普通のホテルなら宿泊者でも貸切り料金4,000円するレベルの露天風呂だと思う。
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泉質:炭酸水素塩泉
檜の湯船に湯船に身体を沈めると、炭酸成分がシュワシュワとなめらかに包みこむ。
中性なので肌への刺激が少ない。
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1万坪の敷地内には四季折々の野の花が咲く。
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売店にはセンスのよい器や美味しいお茶などが並び、まるでセレクトショップのようだ。
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温泉と同じくらい楽しみにしていた夕食。レストラン石倉の個室にて。
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夕食は鹿児島の旬の食材を使った懐石料理コース
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食前酒は竹に入れた日本酒、金雀(きんすずめ)山口県の地酒。
鹿児島だから焼酎かと思ったら日本酒だった。私は日本酒は普段飲まないので味は語れないが。
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皐月のおもてなしは端午にちなんだ食材。邪気払いに菖蒲を添えてある。
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笹団子のような葉にくるまれた中身は車海老の寿司。
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近海の鮮魚。石鯛と月日貝は醤油ではなく、紫蘇の香りのするポン酢をつけて食べる。このポン酢が実に美味しい。
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汁物の霧島サーモン地鱒清汁がすごく美味しかった!
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左:黒さつま鶏の南蛮漬け。
右:炭火で焼いた鱸(スズキ)は最高に美味しかった。やはり食材の持つ味や力は最高。
お酒を飲まない私達に度々、温かいほうじ茶を出してくれた。多分、加賀棒茶。
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上質な黒豚の屑煮鍋。鹿児島と言えば黒豚。
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締めのご飯は鰻山椒ご飯。うなぎの味付けも青山椒も香りがよく美味しかった。青山椒ってこんなに美味しいのか、と新しい発見。
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食後のデザートはモナカと鹿児島のブランド緑茶の知覧茶(ちらんちゃ)。少し苦みのある緑茶。
温泉目当てで来た妙見石原荘だったが、食事が期待以上に美味しくて満足度MAX。お食事が美味しいと幸福度が増す、と改めて思った。温泉旅館にありがちな固形燃料で温める一人用鍋なんてものはここにはない。鍋もご飯もゲストの夕食時間に合わせて作ってくれるから。
料理のこだわり同様、器へのこだわりもあるので全ての器が違った。温泉と渓流のロケーションだけでも満足なのに、今まで食べた日本料理で一番おいしかったかもしれない。温泉も食事も素材の持つ力と鮮度が大事だと言わんばかりに。
温泉と食事の両方が最高レベルで1泊4万円以下の宿は中々ないのでは。食事が美味しい温泉旅館は全国に多々あると思うが、このような絶景ロケーションに源泉が自噴している露天風呂がある宿は中々ないだろう。
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夕食の後は大浴場へ。大浴場が母屋と離れているのは源泉の近くに湯舟をつくっているため。
内風呂の泉質も炭酸水素塩泉。内風呂の湯舟の窓が開いているので心地よい。脱衣場の洗面台も清潔で清掃が行き届いている。
部屋に戻ると布団が敷いてあり、布団の上にガーゼ素材のパジャマがおいてあった。
浴衣で寝ると朝乱れているので、パジャマを着て寝られるのは嬉しい。
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朝6時に起床して朝食前に混浴風呂へ入った。
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混浴風呂に誰もいなくてよかった。
5月は露天風呂に最高の季節。ここは温泉、鳥のさえずり、川のせせらぎ、新緑、五感にしみる最高の露天風呂。
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朝は昨日とは違う貸切露天風呂の「睦実の湯」へ (貸切り料金1,000円)
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かけ湯をして浴槽へ。
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睦の湯は脱衣場から湯舟までゆるやかなスロープを下ると湯舟になる珍しいデザイン。
建築家の中村好文が設計した露天風呂。建築家が露天風呂をデザインするとこうなる。
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もちろん睦の湯も源泉かけ流し。夕暮れには浴槽にライトが灯るので夜、人気だという。
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炭酸水素塩泉なので炭酸成分が見える。こちらの湯は他の風呂よりやや熱め。ここにも源泉が沸きだしている。
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川べりにある足湯は一番川に近くて迫力あり。
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朝食は夕食と違うレストラン食彩石蔵で。
レストラン内のオブジェもセンスがよく、遊び心のあるアートな空間。
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鹿児島の食材を使った朝食。夕食と違って朝食はシンプルな日本の朝ごはんで良いのだ。ゲストの朝食時間に合わせて炊いたご飯に、焼き魚、しらす、海苔、みそ汁。
オーガニック野菜のサラダ、甘酒を使った自家製ドレッシングが最高に美味しかった。
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イワシの丸干し、だし巻き卵に大根おろし。
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デザートはスイカとメロンに果実ジュレをかけて。
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レストラン石蔵は、宿泊者以外の方も昼食ランチで利用できる。
ランチ懐石+日帰り入浴 9,680円
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湯めぐりとお食事を満喫できる妙見石原荘はお気に入りの温泉宿となった。もちろん、サービスもスタッフのおもてなしも良かった。ここまで温泉にこだわりがない人でも食事がすごく美味しいので、関東の人もぜひ足を延ばしてみてほしい。
妙見石原荘
鹿児島県霧島市隼人町嘉例川4376番地
鹿児島空港から車で15分
ピンバック: 私が鹿児島へ行った理由 – *wagamama travel*