N.Sハルシャ展:チャーミングな旅 @森美術館

森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)で開催中のN・S・ハルシャ展:チャーミングな旅を観に行ってきました。
N・S・ハルシャは1969年、南インドの古都マイスールに生まれ、現在も同地に在住し活動しているインドのモダンアーティストです。


N・S・ハルシャ展は2月から開催中なので平日は空いてました。
たまたま作品の一部をネットで偶然見て、ちょっと興味を持ったので観に来たけれど、どの作品もユニークで色の使い方も好きで、飽きることなくかなり見入ってしまいました。
作品は全て写真撮影OKなのも嬉しい。

 

ハルシャの絵画の特徴は一つの作品に人や動物などのモチーフが反服して描かれている点です。

N. S. ハルシャ :「ここに演説をしに来て」2008年

作品に描かれているのは、インド人の男女、インドの神々、牛、そしてよーく見ると一部にスーパーマンなどの映画のヒーローも紛れていてユーモラス。

どの作品もタイトルや解説も良くて、解説を読むと絵に描かれた動物や人にも全て意味があり、ハルシャの思想やその背景にあるインドの文化や宗教にも触れることができます。

例えば、N・S・ハルシャの初期の代表作「チャーミングな国家」シリーズ

「彼らが私の空腹をどうにかしてくれるだろう」

制服姿の子どもたちが指差すのは、牛を使った伝統的なやり方で田畑を耕す大人とスイス・ジュネーヴにある世界貿易機関本部ビル。ハルシャは、子どもたちの「空腹」を満たしてくれて、国家の成長を支えるのは、畑を耕す農民なのだろうか、それとも国際的な自由貿易なのだろうかと問いかけます。

 

「煙が上へ、煙が下へ、きみはいつもぼくを探している」

 

本展のインスタレーション「空を見つめる人びと」 2010 / 2017年 N. S. Harsha:

2010年のリヴァプール・ビエンナーレのために制作されたインスタレーションで、床面はおびただしい数の人びとの顔で埋められています。
「彼らが見つめる先にあるものとは何か?」
参加型の作品なので私も寝っ転がってパチリ。
皆、寝っ転がって撮影していました。(平日だったので外国人多し)

 

N・S・ハルシャ 《ネイションズ(国家)》 2007 / 2017年 193台の足踏み式ミシン

 

「ハルシャ・スイート」

 

「レフトオーバーズ(残り物)」
バナナリーフにカレーやライスやバナナがのった南インドの伝統的な料理、ミールスを代々にした作品。 南インドではカレーはナンではなくライスと食べるのだそう。

資料室にあった南インドの古都マイスールの映像もかなり好きな風景で、南インドに行きたくなってしまいました。

N・S・ハルシャ 「息子よ、よいことを学びなさい」
「よいことってなに?ママ」

 

N・S・ハルシャ 《探し求める者たちの楽園》
望遠鏡はマクロな視点、顕微鏡はミクロな視点のメタファー。

 

N・S・ハルシャ「道を示してくれる人たちはいた、いまもいる、この先もいるだろう」

なぜ、猿は空を指さしているのでしょう?描かれた動物にも意味があるのです。

 

N・S・ハルシャ 《ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ》 2013年

「N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅」は、あまり期待していなかったけど、すごく良かったです。視覚だけでなく脳も刺激を受けました。
絵のやさしいタッチも思想も結構好きかも。
写真撮ったり、解説も音声ガイド(無料)で聞いて、読んで、じっくり80分もいました。
※作品紹介は森美術館のオフィシャルサイトから引用。

N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅
2017年2月4日(土)-6月11日(日)
森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
N. S. Harsha: Charming Journey
Venue: Mori Art Museum(53F, Roppongi Hills Mori Tower)
2017年2月4日(土)-6月11日(日)

 

森美術館のある六本木ヒルズ森タワー53階からの景色もたまに行くと楽しいよ。
(真ん中の緑は青山墓地)

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